ピラティスは「どこを意識するか」で変わる。整体師経験から伝えたい身体の使い方
ピラティスで大切なのは「どう動くか」
整体師としての経験を活かすトレーナーから
意識したい3つのポイントをお伝えします。
ピラティスを練習していると、
「動きが難しくて、どこに効いているのかわからない」
「意識するポイントが多すぎて、何をすればいいのかわからない」
と感じたことはありませんか?
ピラティスは、ただ身体を動かすだけのストレッチや筋トレとは少し違います。
自分の身体が今どのような状態にあるのかを感じ、正しい身体の使い方を意識しながら、丁寧に動かしていくことが大切です。
Caliaでは、整体師の身体を見る視点を取り入れたピラティスを大切にしています。
整体では、姿勢や骨格、筋肉の緊張、身体の動き方などを確認しながら、身体全体のバランスを見ていきます。
その考え方は、ピラティスにも共通しています。
「どの筋肉を鍛えるか」だけではなく、
「骨盤や背骨がどこにあるのか」 「身体をどう動かしているのか」 「余計な力が入っていないか」
を感じながら動くこと。
それが、姿勢や身体の使い方を見直す第一歩になります。
同じエクササイズでも、身体のどこを意識するかによって、動き方や身体の感じ方は変わります。
そこで今回は、整体師経験のあるトレーナーがピラティスの視点から、初心者の方にも意識してほしい3つのポイントをご紹介します。
01 骨盤と背骨の「アライメント」を意識する
ピラティスでまず大切にしたいのが、身体の土台となる骨盤と背骨の位置=アライメントです。
アライメントとは、簡単にいうと、骨格がどのような位置関係にあるかということ。
整体師の視点でも、身体を見るときに大切なのが、この骨盤や背骨の位置関係です。
どんなに一生懸命エクササイズをしても、骨盤や背骨の位置が崩れたまま動いてしまうと、身体の一部に余計な負担がかかったり、狙った筋肉をうまく使えなかったりすることがあります。
だからこそピラティスでは、
「何回できたか」よりも「どのような身体の状態で動いたか」
を大切にします。
骨盤は「ニュートラルポジション」を意識
仰向けになったときは、骨盤が前にも後ろにも傾きすぎていないニュートラルポジションを目安にします。
骨盤の前側にある左右の出っ張った骨(ASIS)と恥骨を結んだ三角形が、床に対して自然な位置にある状態です。
腰を反りすぎたり、反対に腰を床へ強く押しつけたりするのではなく、
「骨盤を前にも後ろにも倒しすぎず、自然な位置に置く」
という感覚を持ってみましょう。
骨盤が安定すると、身体の奥にあるインナーマッスルを意識しながら動きやすくなります。
背骨は「一気に」動かさない
背骨を動かすときは、身体を一枚の板のように動かすのではなく、背骨を一つひとつ丁寧に動かすことを意識します。
これはアーティキュレーションと呼ばれる動きの考え方です。
背骨はたくさんの椎骨が積み重なってできています。
たとえば身体を丸めたり起こしたりするときも、
「背骨を一つずつ動かしていく」
というイメージを持ってみましょう。
大きく動くことよりも、ゆっくり、丁寧に、自分の背骨の動きを感じることがポイントです。
整体師が身体を見るときも、「動かしやすいところだけが動いていないか」「一部に負担が集中していないか」といった身体全体の動きを確認します。
ピラティスでも同じように、身体の一部分だけで頑張るのではなく、全身を連動させて動くことを意識してみましょう。
まずは動く前に、
「今、骨盤はどこにある?」
「背骨はどんな状態?」
と、自分の身体に意識を向けるところから始めてみましょう。

02 「胸式呼吸」で身体の内側を意識する
ピラティスでは、胸式呼吸を取り入れることがあります。
鼻から息を吸い、口からゆっくり吐きながら、お腹だけを大きく膨らませるのではなく、肋骨を左右や背中側にも広げるように呼吸するのがポイントです。
整体師の視点でも、呼吸は身体の動きを考えるうえで大切な要素です。
呼吸が浅くなったり、肩をすくめるように呼吸したりすると、首や肩周りに余計な力が入りやすくなります。
だからこそ、ピラティスでは呼吸を使って身体の中心を安定させながら、無理なく動くことを意識します。
息を吸うとき
鼻からゆっくり息を吸いながら、
「胸を大きくする」よりも「肋骨を横や背中に広げる」
ようなイメージで呼吸してみましょう。
お腹は無理にへこませようとせず、薄く保つような感覚を意識します。
腹部の深層にある腹横筋は、お腹をぐるっと取り囲むようについている筋肉で、いわば「天然のコルセット」のような役割を担っています。
呼吸を意識しながら腹部を安定させることで、身体の中心であるコアを意識しやすくなります。
息を吐くとき
口から細く長く息を吐きながら、広がった肋骨が自然に元の位置へ戻っていくのを感じます。
お腹も少しずつ引き締まっていくような感覚を意識してみましょう。
慣れてきたら、骨盤の底にある骨盤底筋群も、呼吸に合わせてやさしく引き上げるような感覚を意識してみるのもおすすめです。
ただし、最初からすべてを完璧に意識する必要はありません。
まずは、
「呼吸を止めない」 「肋骨が動いているのを感じる」
この2つから始めてみましょう。
整体師が身体を見るときも、姿勢だけではなく「呼吸によって身体がどのように動いているか」を見ることがあります。
呼吸と動きをつなげることは、身体を無理なく動かすための大切な土台です。

03 「力み」を手放して、身体をスーッと伸ばす
初心者の方に多いのが、
「しっかり動こう!」
「ちゃんとやらなきゃ!」
と頑張るあまり、肩や首、アゴに力が入ってしまうことです。
ピラティスでは、筋肉をギュッと固めることだけが「頑張る」ことではありません。
むしろ、必要以上に力が入ることで、本来動いてほしい部分が動きにくくなることもあります。
そこで意識したいのが、エロンゲーション(背骨の伸長)です。
「縮める」のではなく「伸びる」
エロンゲーションとは、簡単にいうと身体を長く伸ばしていく意識のこと。
たとえば立っているとき、
「頭のてっぺんが上に引っ張られている」
「足の裏は床に向かって伸びている」
そんなイメージを持ってみましょう。
背筋をピンと伸ばして固める必要はありません。
頭のてっぺんから足先まで、身体全体が上下に長くなっていくような感覚です。
さらに、
- 頭のてっぺんを上へスーッと伸ばす
- 肩の力を抜いて、首を長くする
- 足の裏で床を感じながら身体を支える
- お腹をやさしく引き締める
- 身体を上下・左右に遠くへ伸ばす
というように意識してみましょう。
整体師の視点では、身体の一部だけを無理に動かすのではなく、全身のつながりを感じながら動くことを大切にします。
ピラティスでも、
「もっと力を入れよう」ではなく、 「身体を遠くに伸ばそう」
と考えてみましょう。
余計な力みが抜けると、身体を支えるインナーマッスルを意識しながら、よりスムーズに動きやすくなります。
頑張って固めるのではなく、スーッと伸びながら動く。
これが、ピラティスで大切にしたい「しなやかな強さ」です。

整体師の経験から大切にしたいことを3つ
ピラティスで意識したいことは、大きく3つです。
① 骨盤や背骨のアライメントを意識する
身体の土台となる骨盤や背骨を自然な位置に整え、安定した状態で動く。
② 呼吸を止めず、肋骨の動きを感じる
お腹を薄く保ちながら、肋骨を立体的に動かし、身体の内側にあるコアを意識する。
③ 余計な力を抜いて、身体を長く伸ばす
肩や首を固めるのではなく、頭のてっぺんから足先まで、身体全体がスーッと伸びる感覚を持つ。
この3つは、単にエクササイズを「きれいに見せる」ためのものではありません。
身体をどのように使っているのかを自分自身で理解し、無理なく動ける身体をつくっていくための基本です。
整体師の身体を見る視点を取り入れながら、Caliaでは「鍛えること」だけではなく、身体のバランス・動き・呼吸・姿勢を総合的に捉えることを大切にしています。
最初から全部できなくても大丈夫
「アライメントも、呼吸も、エロンゲーションも……全部なんて無理!」
そう感じるのは当然です。
最初からすべてを完璧に意識する必要はありません。
今日は、
「呼吸を意識してみよう」
次のレッスンでは、
「背骨の動きを感じてみよう」
その次は、
「肩の力を抜くことを意識してみよう」
というように、一つずつ身体と向き合ってみてください。
ピラティスは、トレーナーの動きをそのまま真似するだけではありません。
「今、自分の身体はどうなっている?」
と、自分自身に意識を向ける時間でもあります。
身体の感覚に少しずつ意識を向けられるようになると、
「ここに力が入りすぎていた」
「前より背中が動くようになった」
「呼吸がしやすくなった」
「立ったときの身体の感覚が違う」
など、自分自身の小さな変化にも気づけるようになります。
頑張って動くのではなく、
自分の身体を感じながら、丁寧に動く。
その積み重ねが、姿勢や身体の使い方を見直すきっかけになります。
整体師の視点で身体を知り、ピラティスで自分自身の身体を動かす。
外から整えてもらうだけではなく、
自分で身体を感じ、自分でコントロールする。
それが、Caliaが大切にする「身体の専門家、整体師経験のあるトレーナーが伝えたいピラティス」です。
今日のレッスンから、まずは一つ。
「自分の身体を感じること」
から始めてみましょう。
<この記事を書いた人>
マシンピラティススタジオCalia(カリア)トレーナー
プロフィール:
整体師として、さまざまな身体の悩みと向き合ってきた経験を活かし、現在はピラティストレーナーとして活動。
PHIピラティス認定 MatⅠ/Ⅱ・ReformerⅠを取得。
PHIピラティスのメソッドは理学療法士によって開発されたため、リハビリテーションの現場で培われた専門的な医療的視点がエクササイズに反映されていることが、大きな特徴として挙げらる。一人ひとりの状態に合わせたエクササイズを提案。整体師として培った身体を見る視点とピラティスの専門知識を活かし、「なぜこの動きを行うのか」を大切にした、質の高いレッスンを提供している。